こんにちは。Pict Createの管理人“よーしゃん”です。
独学でカメラについて勉強しています。
これまで、F値(絞り値)、シャッタースピード、ISO感度について解説してきましたが、今回はそのまとめとして、EV値(段数)について紹介したいと思います。

このままでは手ブレしてしまうけど、ISO感度をどこまで上げたらいいのかな?

シャッタースピードを1/2000にするには、F値やISO感度をどうすればいいのかな?
このような質問の答えがすぐに出てこないという方は、とりあえず本記事を読んでみて下さい。
EV値や段数についての考え方を理解すると、一眼カメラでの撮影がもっと簡単で楽しいものになりますよ。
それでは、さっそく解説していきます。
EV値とは?
EV(Exposure Value)とは露出値のことです。”Value”という英語は”値”という意味なので、EV値というと“値”という意味が被っていますが、日本では一般的にそう呼ばれています。
EV値は、F値1.0、シャッタースピード1秒、ISO感度100で撮影した時に適正露出となる明るさを基準(EV 0)として、被写体がどれだけ明るいかを表した指標です。
そして、F値をAV(Aperture Value)、シャッタースピードをTV(Time Value)、ISO感度をIS(ISO Sensitivity)とおくと、EV、AV、TV、ISの間には、下記の式が成り立っています。
EV(露出値) = AV(F値) + TV(シャッタースピード) + IS(ISO感度)
※シャッタースピードとTVも同じことを表しています。
EV値の目安
被写体(撮影環境)によって最適なEV値は異なっており、ざっくりと下表の様な目安があります。
EV値(目安) | 被写体(撮影環境)の例 |
16 | 快晴のビーチ、雪景色 |
15 | |
14 | 晴天 |
13 | |
12 | 曇り、日陰 |
11 | |
10 | 雨天、スタジオ、ナイター |
9 | |
8 | 明るい室内、夕暮れ、体育館 |
7 | |
6 | 室内、オフィス |
5 | |
4 | 明るい夜景、暗い室内、花火 |
3 | |
2 | 遠くの夜景、映画館 |
1 | |
0 | 薄明り、夜中の住宅街 |
-1 | |
-2 | 月夜 |
-3 | |
-4 | 星空 |
撮影環境に適したEV値となるようにカメラのセッティングを行なうことで、適正露出で撮影を行なうことができます。
一方で、EV値が大き過ぎると露出オーバーとなり、写真全体が白っぽくなってしまいます。逆に、EV値が小さ過ぎると露出アンダーとなり、写真全体が黒っぽくなってしまいます。
ただ、上記の値は、あくまでもマニュアルでEV値を設定する場合の目安です。
マニュアルモード(Mモード)以外に設定している場合は、AE機能によってカメラが自動的に露出補正を行ない、撮影状況に応じた適正露出(EV値)を選んでくれるので、その設定でF値、シャッタースピード、ISO感度を変えたとしても、見かけ上の明るさが変化することはありません。
つまり、カメラが決めてくれたEV値に対して、撮影者がF値、シャッタースピード、ISO感度を合わせ込む必要があります。
その際に、“段”という考え方が重要になってきます。
EV値計算(段理論) について
先程も述べましたが、撮影のパラメーターである、F値(絞り具合)、シャッタースピード(露光時間)、ISO感度(増幅度合い)の段数は、全て光量が2倍ずつ変化するように定義されています。
そのため、前述の式にそれぞれの段数を代入することによって、カメラのセッティングを簡単に行なうことができます。
EV(露出値) = AV(F値) + TV(シャッタースピード) + IS(ISO感度)
これを式に代入すると、「14=6+?+0」となるので、シャッタースピード(?の部分)は自動的に1/250秒(+8段)になります。
撮影環境が変わらない限り、カメラは同じEV値(+14段)を選びますので、左辺は固定です。
そして、シャッタースピードを2段速める分、光量は1/4になりますので、F値を開放するかISO感度を上げて、光量を4倍(+2段)にする必要があります。
いずれもEV値と各パラメータの段数の総和がイコールの関係に保たれていることがわかります。
もっと簡単に言えば、イコールの関係さえ保たれていればよいので、「シャッタースピードを2段速めたから、F値かISO感度で光量を2段分補わないといけないね。」くらいの感覚でOKです。
F値〇〇が〇〇段というところまで覚える必要はありません。
そして、どのパラメータで光量を補うかによって、写真のテイストが変わってきます。
シャッタースピードを速めたことで減った光量をISO感度で補えば、画質は下がりますが被写界深度(ピントが合う範囲)を維持することができます。
一方、それをF値で補えば、被写界深度は狭まりますが、高画質を維持することができます。
露出補正とは?
上記の関係式とは別に、カメラが決めたEV値そのものを修正する機能が露出補正です。
露出補正を行なうと、自分の好みに合わせて、意図的に露出オーバー気味、もしくは露出アンダー気味に調節することができます。
一般的な一眼カメラでは、露出補正は1/3段ずつ調節できるようになっており、露出補正を行なうとEV値そのものが変化するので、見た目にも写真の明るさが変化します。
例えば、F 8.0(+6段)、シャッタースピード1/250秒(+8段)、ISO 100(±0段)での撮影において、EV値を14から15に1.0露出補正すると、「15≠6+8+0」となるので、右辺の足りない分をカメラが自動的に判断し、F値、シャッタースピード、ISO感度のいずれかを1段分補正してくれるようなイメージです。
ちなみに、マニュアルモードでは、撮影者自身が各パラメータを全て設定してEV値を決めるので、露出補正はありません。
まとめ
- EV値は、F値1.0、シャッタースピード1秒、ISO感度100を基準として、被写体の明るさを表した指標である。
- 最近のデジタルカメラには自動露出補正機能が搭載されており、EV値の選択はカメラが自動的に行なう。
- F値、シャッタースピード、ISO感度の段数は、全て光量が2倍ずつ変化するように定義されている。
- EV値と各パラメータの段数の総和は、イコールの関係に保たれている。
- 露出補正とは、カメラが決めたEV値そのものを修正する機能であり、写真の明るさを調節できる。
今回は以上です。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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