こんにちは。”よーしゃん”です。
4月に入ってから、撮影活動を含めた不要不急の外出を自粛しています。
本来なら、このゴールデンウィークを利用して葛城高原辺りにツツジの花を撮りに行きたかったところですが、新型コロナウィルス感染拡大防止のため、自宅待機することになりそうです。
ということで、今回は、3月末に奈良公園で撮影した写真と共に、”減光フィルター”を使った撮影方法を紹介したいと思います。

明るいところでスローシャッターにするには、どうすればいいのかな?

糸を引くような滝、鏡のような水面の写真は、どうやって撮ってるの?
このような疑問をお持ちのカメラ初心者の方々は、ぜひご覧下さい。
減光フィルターを使うことで、撮影のバリエーションが広がりますよ。
それでは、どうぞ!
減光フィルター(NDフィルター)とは?

減光フィルターは、その名の通りレンズに入ってくる光を減らすためのフィルターです。
レンズに取り付けるサングラスのようなものと考えると、理解しやすいと思います。
減光フィルターは、別名でND(Neutral Density)フィルターとも呼ばれています。
”Neutral Density”の意味は”中性(中間色)の濃度”であり、色味に影響を与えることなく、純粋に光量だけを落とす働きをすることから、その名が付けられています。
そして、減光フィルターの用途としては、以下のようなものがあります。
(用途1)明るいところでシャッタースピードを遅くする

日中の撮影では必然的にシャッタースピードが速くなります。
これをカメラの設定だけで無理やり遅くしようとすると、どうしても光量が多すぎて露出オーバーとなり、白飛びが発生してしまいます。
シャッタースピードが遅くなると、流れる水が糸を引くような感じになったり、水面が鏡のようになったりします。
(用途2)スローシャッターで花火を撮影する
花火はとても明るい被写体なので、通常のセッティングで長時間露光する(スローシャッターで撮る)と、露出オーバーとなり、白飛びが発生してしまいます。
(用途3)明るいところで背景をぼかす
快晴のビーチや雪景色などの極端に明るい状況において、背景をぼかすために絞りを全開(F値を最小)にすると、シャッタースピードを目一杯速くしても露出オーバーになってしまうことがあります。
こうなってしまうと、背景をぼかした写真を撮影することができません。
減光フィルター(NDフィルター)の種類
減光フィルターには、ND2からND1000まで様々な種類があります。
種類 | ND2 | ND4 | … | ND500 | ND1000 |
光量 | 1/2 | 1/4 | … | 1/500 | 1/1000 |
絞り段数 | 1段 | 2段 | … | 9段 | 10段 |
どういった環境でどのような写真を撮りたいかによって、これらのフィルターを使い分けます。
減光フィルター装着時のシャッタースピード
次に、減光フィルターを取り付けた際のシャッタースピードを計算してみましょう。
ND4のフィルターは光量を1/4にするので、元々1/1000秒だったシャッタースピードは2段分遅くなり、1/250秒となります。
ND1000のフィルターは光量を1/1000にするので、元々1/1000秒だったシャッタースピードは10段分遅くなり、1秒となります。
減光フィルターを重ね付けする場合は?
減光フィルターは、重ね付けして使用することも可能です。
その場合、重ねたフィルターの番号を掛け合わせた数に相当する減光効果が得られます。
また、絞り段数で計算する場合は、重ねたフィルターの段数を足し合わせた数に相当する減光効果を得ることができます。
ただ、フィルターを重ね付けすることによる、ケラレの発生にはご注意下さい。
可変式NDフィルターとは?
減光フィルターには、フィルターの前枠を回転させることで、減光量を自在に変えることができるものもあります。
私は、ケンコー・トキナー社の”Variable NDX”という製品を使用していますが、これ一枚でND2.5からND1000まで(実際はムラの発生があるので、ND450程度まで)カバーできるので非常に便利です。
ただ、可変式NDフィルターは割と高額なので、最大径の82mmのものを1つだけ購入し、あとは使用するレンズの口径に合ったステップアップリングを使って、フィルター径を変えて取り付ける方法をオススメします。
ステップアップリングなら、ケンコー社のものでも1つ1000円弱で購入できるので、とてもリーズナブルです。
ただ、ステップアップリングを取り付けると、レンズフードが装着できなくなるので、その点はあらかじめご承知おき下さいね。
可変式NDフィルター使用時の注意点!
可変式NDフィルターはとても便利なアイテムですが、使用時に減光ムラが発生することがあります。
下の写真は、私が実際に可変式NDフィルターを使用し、減光量をMAXに設定して撮影した写真ですが、写真の右上と左下に減光ムラが生じていることがわかります。

上記の”Variable NDX ND2.5 – ND1000”にも、使用範囲はND450相当までと記載されているため、ND1000が必要な場合は、別途単品のフィルターを購入した方が良さそうです。
可変式NDフィルターを使った作品
以下の写真は、私が実際に可変式NDフィルターを使って撮影した写真です。
三社託宣池(さんじゃたくせんいけ)の桜

焦点距離 44mm, F値 18, SS 6, ISO-100
シャッタースピードを遅くすることで、池の表面がとても滑らかになりました。
春の浮見堂(うきみどう)

焦点距離 55mm, F値 14, SS 26, ISO-100
こちらは、先程減光ムラが発生した写真をリカバリーした後、トリミングしたものです。
ちなみに、減光ムラが発生した写真は、Photoshop等でカラーバランスと明るさを部分的に修正することで、ある程度リカバリーすることが可能です。
まとめ
- 減光フィルター(NDフィルター)とは、レンズに入る光を減らすもの。
- 減光フィルターを使えば、明るいところでもスローシャッターや背景のボカシが可能。
- ND2からND1000まで様々な種類があり、用途に応じて使い分ける。
- 減光フィルター装着時のシャッタースピードは、段数で計算できる。重ね付けもOK!
- 可変式のNDフィルターもあり、大変便利だが減光ムラが生じることがある。
- 減光ムラが発生した写真は、カラーバランスと明るさを部分的に修正すればリカバリー可能。
以上です。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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