こんにちは。Pict Createの管理人“よーしゃん”です。
独学でカメラについて勉強しています。今回はISO感度について書きたいと思います。
ISO感度について理解すると、撮影状況に応じた感度調整ができるようになり、画質の良い(ノイズの少ない)写真が撮れます。ワンランク上の写真を撮るには重要な項目ですので、ステップアップしたい初心者の方は是非ご覧下さい。
ISO感度とは?
まず、ISOというアルファベットは、“International Organization for Standardization(国際標準化機構)”の略で“アイエスオー”と読みます。ISOは、世界中の基準を統一すること(標準化)を目的として設立した組織です。
例えば、長さを表現するために、メートル、インチ、ヤード、尺、…など、世界各国には色々な単位がありますが、国籍の異なる人同士が会話する際、基準が統一されていないと、お互いに同じ長さをイメージしていても話がうまく伝わりません。そうなることを防ぐために標準化を進めている組織がISOです。
そして、ISO感度というのは、その組織によって標準化された感度のことです。読み方は“アイエスオー感度”ですが、長いと感じる方は“イソ感度”でも通じます。 ISO感度は、元々フィルムカメラを使用していた時代にフィルムの感度を標準化するために定められたものですが、デジタルカメラが主流となった現在では、レンズを通してセンサーに届いた光をどれだけ増幅させるかという指標として用いられています。
ISO感度と画質(ノイズ)の関係
カメラに入ってくる光の量はF値(絞りの開き具合)とシャッタースピード(露光時間)によって決まりますが、暗いところでの撮影時や高速シャッターでの撮影時などには、どうしても光の量が不足してしまいます。そんな時、カメラの中では光(電気信号)を増幅して適性露出に合わせています。
この時、電気信号をどれだけ増幅するかを決める値がISO感度で、具体的な値は下表の通りです。
ISO感度 | 100 | 200 | 400 | 800 | 1600 | 3200 | 6400 | 12800 | 25600 |
段数 | 0 | -1 | -2 | -3 | -4 | -5 | -6 | -7 | -8 |
光量 | 少ない | 多い | |||||||
ノイズ | 少ない | 多い |
例えば、ISO感度を200から400に上げる(-1段する)と、電気信号(光量)は2倍になります。しかし、だからといって常にISO感度を上げておけば良いかというと、そうではありません。その理由について、ジュースを例にとって解説します。
まず、果汁100%のオレンジジュースを考えてみて下さい。
果汁の量(光量)がほんの少ししかなければ、水で薄めて果汁50%や10%などにしてコップ(適性露出)を満たすことになりますが、ISO感度はこの時の希釈倍率(どれだけ薄めるか)のようなものです。
希釈倍率を増やせば少ない果汁でもコップを満たすことができますが、やはり薄めたジュースは美味しくなく、長時間かけて果汁を搾り取ったジュースには到底かないません。
写真についても同じで、僅かな光量でもISO感度を上げればそれなりの写真は撮れますが、ノイズも一緒に増幅されるので、ざらつきが発生したり、シャープさが失われたりして画質が悪く、長時間シャッターを開いて撮った写真には到底かなわないのです。
つまり、ISO感度はなるべく低い方が良く、必要な時以外は上げない方が綺麗な写真が撮れます。
常用感度と拡張感度
私が使用している富士フイルムのX-T20のISO感度は、メーカーによると常用感度で200~6400、拡張感度で100、25600、51200となっています。ちなみに、常用感度と拡張感度の違いは下記の通りです。
- 常用感度:いわゆるメーカー推奨値です。この範囲で撮影すれば、ノイズは許容範囲(目立たないレベル)におさまります。そして、常用感度の中で最も画質が良いところを基準感度 といいます(XT-20ならISO200)。
- 拡張感度:ISO200よりも絞りを開いてボカしたいときや、ISO6400よりもシャッタースピードを速くしたいときなど、少し特殊な場合に使用します。ただ、ISO6400を超えるとノイズがかなり目立ちます。
ここまで読んでよく理解されている方は、「ISO200よりも100の方が画質は良いのでは?」と思うかもしれませんが、ISO100が拡張感度となっている機種では、センサーのダイナミックレンジ(センサーが認識できる明るさの領域)をあえて狭めることで、意図的に感度を下げています。要するに、センサーに目隠ししているような状態です。この状態だと、センサー本来の性能をフルに活用していないので、可能なら常用感度の範囲内での撮影をオススメします。
ISO感度の目安
・AUTO
スナップ写真など、不意に訪れるシャッターチャンスを逃したくない場合、この設定にします。カメラを始めたころは便利でしたが、徐々に慣れてくると状況に応じてISOを設定できるようになるので、今は画質を優先し、自分で設定しています。
・ISO100~200(基準感度)
ISO感度の基準となる、いわゆる最も画質が良いところです。記念写真や風景写真のように思い出を記録したい場合や、素材提供する場合などはなるべく高画質で撮影しましょう。周囲が明るい場合は何も考えずこの設定でOK、暗い場合は三脚があれば可能です。
・ISO400~800
画質と感度のバランスがとれているところです。スナップ写真など、その瞬間を大事にしたい場合に最適です。この設定にすれば、明るいところでの高速シャッターや、やや暗いところでの手持ち撮影などもできます。
・ISO1600~6400
この辺からノイズが気になってきます。屋内でスポーツ撮影を行なう場合や、星空やホタルなどの僅かな光を撮影する場合に使用します。余裕があれば、もう一段階ISO感度を下げた写真も併せて撮っておいた方がいいと思います。
・ISO12800以上
超高速シャッターで撮影したいときや、真っ暗な状況で撮影しなければならないときに使用します。どうしても上手く撮影できないときの緊急回避手段としての位置づけなので、普段は使用しません。
※ここで紹介した値はあくまで目安であり、カメラの機種やレンズの種類によって多少異なります。
まとめ
- ISO感度とは、国際標準化機構によって定められた光量の増幅度合いである。
- ISO感度を2倍に上げる(-1段する)と光量は2倍になるが、ノイズも増幅される。
- ISO感度はなるべく低い方が良く、必要な時以外は上げない方が画質が良い。
- 常用感度はメーカー推奨値のことであり、拡張感度は特殊な状況で使用する。
- 周囲の明るさや撮りたいシャッタースピードに応じて、最適なISO感度を選ぶ。
今回は以上です。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
※本記事では、n*****************mさんによる写真ACからの写真を使用しています。
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