こんにちは。”よーしゃん”です。
今回は、写真の保存に必要なSDカードについて記載します。
これまで、SDカードは単なる記録媒体と認識しており、「とりあえず、知っているメーカーの安いものを買えばいいや。」と考えていました。
しかし、詳しく調べてみるとSDカードにも色々あり、連写モードで決定的瞬間を逃さず撮影したい場合や、高画質の動画を安定して撮影したい場合には、そのスペックが非常に重要であることがわかりました。
一眼カメラの用途に限らず、SDカードの購入を検討されている方は、ぜひ本記事を読んでみて下さい。
SDカードを買うなら、まずは必要な容量を決める
SDカードを購入する場合、「1回の写真撮影で何枚くらい撮るのか?」ということと、「普段、どのような画質設定で撮影しているか?」ということに着目し、必要な容量を決めましょう。
下表にJPEG形式のファイルサイズ(目安)と各容量のSDカードに記録できる枚数について記載しましたので、この表を参考に最適な容量を選んでみて下さい。
表1.各容量のSDカードに記録できる写真の枚数(JPEG形式)
撮影時 の設定 | 解像度 | ファイル サイズ (目安) | 容量 16GB (14GB) | 容量 32GB (29GB) | 容量 64GB (58GB) | 容量 128GB (115GB) |
L 3:2 | 6000×4000 | 24MB | 583枚 | 1208枚 | 2417枚 | 4792枚 |
L 16:9 | 6000×3376 | 20MB | 700枚 | 1450枚 | 2900枚 | 5750枚 |
L 1:1 | 4000×4000 | 16MB | 875枚 | 1813枚 | 3625枚 | 7188枚 |
M 3:2 | 4240×2832 | 12MB | 1167枚 | 2417枚 | 4833枚 | 9583枚 |
M 16:9 | 4240×2384 | 10MB | 1400枚 | 2900枚 | 5800枚 | 11500枚 |
M 1:1 | 2832×2832 | 8MB | 1750枚 | 3625枚 | 7250枚 | 14375枚 |
S 3:2 | 3008×2000 | 6MB | 2333枚 | 4833枚 | 9667枚 | 19167枚 |
S 16:9 | 3008×1688 | 5MB | 2800枚 | 5800枚 | 11600枚 | 23000枚 |
S 1:1 | 2000×2000 | 4MB | 3500枚 | 7250枚 | 14500枚 | 28750枚 |
※1 富士フイルムのX T-20のファイルサイズを参考にしています。
※2 括弧内のSDカード容量は、実際に記録できる容量です。
少し余談ですが、JPEG形式での保存ではファイルの圧縮を伴うため、解像度の設定が同じでも、被写体によってファイルサイズが異なる場合があります。例えば、写真内の色の数が少なく、色が均一な領域が多い場合などはファイルサイズが比較的小さくなります。
パッケージ記載容量と実容量の違いに注意!
SDカードに限らず、パソコン等で使用する様々な記録メディアは、パッケージに記載されている容量と実際に記録できる容量が違います。
その理由の一つとして、パッケージ記載容量は我々が普段使用している”10進数“での表記になっているのに対し、パソコンやカメラはそれを”2進数“で認識することが挙げられます。
- 10進数:0, 1, 2, 3, …9と数えた後、一桁増えて10になる数え方。
- 2進数:0, 1と数えた後、一桁増えて10になる数え方。2進数の10は10進数の2と同じ意味。
10進数が使われている我々の世界では、k(キロ)は”1000(10の3乗)“という意味を持ちますが、2進数が使われているコンピュータの世界ではk(キロ)は”1024(2の10乗)“と認識されます。したがって、パッケージ記載容量と実容量の間にギャップが生じます。
例えば、パッケージ記載容量が32GBのSDカードなら、32,000,000,000B÷1024÷1024÷1024≒29.8GBがコンピュータ上での実容量となります。
それに加え、各種記録メディアでは、データの信頼性向上のためにシステム領域が設けられています。なので、上記のギャップとシステム領域を加味すると、パッケージ記載容量の90%くらいが実容量となります。
※上記の表も実容量を90%として計算しています。
RAW形式で保存するなら、JPEG形式の約3倍の容量を選ぶ
デジカメ等で撮影した画像は、一般的にJPEG形式で保存されますが、JPEG形式に変換(圧縮)する前のデジタル信号そのもののファイルを”RAW(ロウ)ファイル“と言います。RAWというのは英語で”未加工の”という意味があり、その名の通りRAWファイルにはイメージセンサーが感知した全てのデータが含まれています。RAW形式で保存するには、カメラが対応している必要があります。
このファイルはサイズが非常に大きいのですが、圧縮による画質の劣化が全く無いので、本格的な現像を行なう場合にはRAW形式での保存がオススメです。同じ写真で比較すると、RAWファイルはJPEGファイルの3倍くらいのサイズになるので、RAW形式での保存を考えている場合は、3倍くらいの容量のSDカードを準備しましょう。当然ながら、RAW+JPEG形式で保存したければ、4倍くらいの容量が必要になります。
ちなみに、写真をパソコンに保存する場合、全ての写真をRAWファイルとして残すのはあまりオススメしません。RAWファイルはディスク容量をかなり圧迫するので、私としてはベストショットのみRAW形式を残し、その他の写真はJPEG形式で保存するようにしています。
SDカードの規格(本体との相性)をチェックする
一見同じようなSDカードでも、カメラやパソコン本体に搭載されたスロットの規格によっては、正常に動作しないことがあります。SDカードを購入する場合は、事前にスロットの規格を調べ、本体との相性をチェックしましょう。
表2.SDカードの規格について
規格 | データ容量 | ファイルシステム |
SD | 2GB以下 | FAT16 |
SDHC | 4GB~32GB | FAT32 |
SDXC | 64GB~2TB | exFAT |
SDUC | 4TB~128TB | exFAT |
※パソコンに接続する場合、SDカードスロットの規格と併せて、使用するOSがサポートするファイルシステムについても調べておくと安心です。
SDカードの規格には、上位互換性(upper compatible)があり、基本的に上位規格のスロットであれば、下位規格のSDカードも使用できます。例えば、SDXCのスロットにSDHCやSDは使えますが、SDのスロットにSDXCを挿入しても上手く動作しません。
使用しているSDカードスロットの規格が知りたいときは、本体の取説やメーカーサイトに記載されているので、そちらを参照して下さい。
その他、本体の製造時期からSDカードスロットの規格を知ることもできます。ざっくりとした目安ですが、2008年以降に製造された機種はSDHCに対応しており、 2010年以降に製造された機種であればSDXCに対応していることが多いです。
なお、SDUCは2018年に発表された新しい規格ですが、写真撮影のみ行なう場合、TB単位のSDカードでは容量を持て余してしまうので、あまり必要ないかと思います。
連写、動画撮影するなら、データ転送速度も考慮すべし
高解像度やRAW形式での連写や動画撮影を考えている場合は、データ転送速度にも気を配る必要があります。というのも、一見すると同じようなSDカードでも、製品によってデータの転送速度が異なっているからです。
データ転送速度には読み込み速度(Reading rate)と書き込み速度(Writing rate)がありますが、通常は読み込み速度の方が速いので、SDカードの性能で気にすべきところは律速となる”書き込み速度“の方です。
- 読み込み速度:SDカードからカメラにデータを転送する速度。(例:撮影後の確認時)
- 書き込み速度:カメラからSDカードにデータを転送する速度。(例:撮影時)
そして、書き込み速度には最大書き込み速度と最低書き込み速度があり、高画質での連写を行なう場合は最大書き込み速度、動画撮影を行なう際は最低書き込み速度、がそれぞれ重要になってきます。
連写時に重要な最大書き込み速度
高画質での連写を行なう場合、SDカードには瞬間的なデータ転送能力が要求されるので、最大書き込み速度が重要になります。
連写時にシャッターの間隔よりもSDカードへの書き込み時間が長いと、次のシャッターを待たせることになってしまいます。このようなタイムラグが発生すると、せっかく連写モードで撮影しているのに決定的な瞬間を逃してしまう恐れがあるので、なるべく書き込み速度が速いものを選びましょう。
最大書き込み速度の目安は、カメラや連写モードの設定によって異なるのですが、60MB/s以上が安心です。もちろん、この数値が大きければ大きいほど、連写モードでの撮影は快適になります。
ちなみに、データ転送速度の単位であるMB/sというのは、1秒毎に転送できるデータ量のことです。 例えば、10MBのファイルを保存するとき、転送速度が10MB/sなら10÷10=1秒、20MB/sなら10÷20=0.5秒で保存が完了します。
動画撮影時に重要な最低書き込み速度
動画撮影時には連続的に安定してデータを書き込む必要があるため、最低書き込み速度が重要になります。
SDカードの最低書き込み速度は、スピードクラスという規格によって保証されています。スピードクラスの上位規格には、UHSスピードクラスやビデオスピードクラスがあり、撮影時の画質に応じて適切なクラスを選ぶ必要があります。
最低書き込み速度 | スピードクラス | UHSスピードクラス | ビデオスピードクラス |
2MB/s | 2 | ||
4MB/s | 4 | ||
6MB/s | 6 | 6 | |
10MB/s | 10 | 1 | 10 |
30MB/s | 3 | 30 | |
60MB/s | 60 | ||
90MB/s | 90 |
目安として、フルHDでの撮影ならスピードクラス10(=UHSスピードクラス1)以上、4Kでの撮影ならUHSスピードクラス3(=ビデオスピードクラス30)以上を選びましょう。
実はSDカードよりMicro SDカードの方が便利!?
私はいつも撮影した写真をノートパソコンで現像しているので、SDカードをカメラから取り外してノートパソコンに接続することがよくあります。ただ、最近のノートパソコンは、小型化のためにSDカードではなくMicro SDカードのスロットを搭載しているケースが多いです。
そんな時は、”Micro SD→SD変換アダプター“が便利です。このアダプタがあればMicro SDをSDカード兼用として使用できるので、別途カードリーダーを用意しなくてもデータをパソコンに移すことができます。
変換アダプターは単純に端子の形を変えているだけなので、アダプターを接続したからといってデータ転送速度が変わることはありません。
※変換アダプターの品質が悪い場合は、この限りではないですが。
まとめ
- 撮影枚数、画質設定に応じてSDカードの容量を決める。
- パッケージ容量の約90%が実際に使える容量となる。
- RAWファイルを扱うなら、JPEGファイルの約3倍の容量が必要となる。
- 使用するカメラやパソコンのSDカードスロットの規格を確認する。
- 連写や動画撮影を行なう場合、データ転送速度も考慮する。
- 変換アダプターを使用すると、Micro SDをSDカード兼用として使用できるので便利。
以上です。ご参考まで。
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